▶海苔はほぼ全て海面養殖にて生産されており、海水に海苔の種を撒いて海洋の自然環境を利用して生育されています。
▶海苔の種は特別な網やロープに取り付けられて、海水中に浮かべられたり、海底に固定され、海洋の栄養分や日光を利用して海苔が光合成を行うことで成長していきます。
▶海苔は一定の海水温(20℃以下)で成長するため、冬から春先の海水の水温が上昇しない時期が養殖期間となります。
▶海苔は海洋の栄養分や日光を利用して成長するため、海面養殖では海水の水温や潮の満ち引き、日照時間などの自然条件が生育に大きく影響を与えます。これらの条件が適切であれば、海苔は健康的に成長し、高品質な海苔製品として収穫されます。
▶この海苔の海面養殖方法は、古来(奈良時代頃)から伝統的に行われてきた方法であり長年の間、変わらず繰り返されてきた生育方法です。
▶海苔は重要な養殖生産物であり、和食に欠かすことのできない食材として、健康で豊かな日本の食生活を支え続けています。
▶気候変動や海洋環境の変化、人間活動の影響などが、海面養殖に影響を与えています。例えば、気温上昇や海水温の変化は海洋生物の生態系に影響を与え、海面養殖における海水温や栄養塩のバランスなどに変化をもたらしています。海水温の上昇により、海洋生物の生息域や分布が変化し、これに伴って海面養殖の適した場所や条件も変化しています。
▶また、海洋汚染や海洋資源の過剰利用による海洋生態系の変化も海面養殖に影響を与えています。水質汚染や海洋酸性化などの環境問題が海洋生物の生育に影響を及ぼし、海苔を含む養殖生物の健康や成長を著しく悪化させています。
▶さらに、漁業や船舶交通などの人間活動による海洋環境の変化も海面養殖に影響を与えるとされており、漁業による過剰な漁獲や底引き網の使用による海底生態系の破壊が、海面養殖の周辺環境に悪影響を与えていると多々報告されています。
▶これらの環境変化に対応するために、海面養殖業界では環境調査や技術革新などが積極的に進められています。
▶海苔の国内生産量は1960~1980年代の技術発展により、ピークの1994年には年間48.3万tであったが、その後減少し、近年はピーク時の半数以下にまで激減しています。
▶2021年度の生産量は年間23.7万tまで減少し、2022年度は51年ぶりに過去最低を記録しています。
▶海苔の国内需要は30万t以上と言われている中、生産量が追い付かずに毎年、供給量不足が続いています。
▶国内生産の約6割を占める九州・有明海周辺(佐賀県・福岡県・熊本県)をはじめ、少雨や気温上昇の影響で赤潮が異常発生したことで、海中の栄養分が不足して海苔が十分に成長せず、全国的に不作が響いています。
▶それにより、海苔の価格高騰にも影響し、約15〜30%の値上げが相次ぎ、最大では40%以上の値上げに踏み切るメーカーも出てきています。
▶海苔類の養殖を行っている経営体は、ピーク時の 1/15 程度まで減少しており、今後益々、減っていきます。
▶海苔の主要な産地は、 九州(佐賀県、福岡県、熊本県)、兵庫県、宮城県、香川県等、多数の地域で生産されていますが、その漁業者の多くが暮らす地域では、人口減少が著しく平均所得も下がり、廃業する方々が後を絶ちません。
▶原因はひとつではなく、価格の下落や漁獲量の減少、就業者の高齢化による体力的な問題、後継者不足・不在などが関係していると考えられています。
▶漁業を辞める世帯が多くなることで、地域の経済活動の衰退後押ししてしまっています。
〒799-2462
愛媛県松山市久保428-2
株式会社マリンファクトリー
E-mail :info@marine-factory.co.jp
TEL:089-909-4087